大の里、史上最速Vで被災地の石川県民に勇気と希望を
大相撲夏場所が26日、東京・両国国技館で千秋楽の取組が行われ、新小結・大の里（23歳、二所ノ関部屋）が関脇・阿炎（30歳、錣山部屋）に勝利し、12勝3敗で初優勝を果たしました。初土俵から所要7場所での優勝は、幕下付け出しでは横綱・輪島の15場所を更新する史上最速の快挙です。また、新小結での優勝は1957年夏場所の安念山以来67年ぶりとなりました。春場所の尊富士（25歳、伊勢ケ浜部屋）に続いて2場所連続の“ちょんまげ優勝”で、23歳の大器が横綱や大関陣の休場が相次いだ大混戦の場所を制しました。
勝てば入門1年での歴史的な優勝。大歓声の中、土俵に上がった大の里は、阿炎に立ち合い勝ちし、一気に圧力を強めて押し出しました。その瞬間、会場で息子の大一番を祈るように見守った父はガッツポーズを決め、歓喜の涙を流しました。
大の里は目が潤んでいるように見えましたが、天を見つめてひと息つきました。勝ち名乗りを受け、土俵を下り腰を下ろした瞬間、涙がこぼれ落ちました。大歓声と拍手が鳴りやまない中、何度も涙を拭った23歳。2場所連続で優勝争いに絡みながらも、涙をのんでいた彼が、“3度目の正直”でついに賜杯を手にしました。
大の里は石川県穴水町出身。能登半島地震で大きな被害を受けた故郷を勇気づける思いも発奮材料となり、「精いっぱいやるだけ」と今場所への思いを語っていました。試合を終え、「こうやって優勝する姿を石川県の方に見せることができたので本当にうれしい」と安堵の表情を見せました。
この一戦を故郷で見守っていた石川県民は、史上最速の優勝に大盛り上がり。「石川県民として本当にうれしい！！いやー、本当に凄い！感動したー！」「石川に大きな励ましの花火を上げてくれました。おめでとうございます！そして、ありがとうございます！」「被災した石川に勇気と感動をありがとう！！かっこよすぎるぞ！！」「石川に明るいニュースが！」「大の里素晴らしい石川の星」など、故郷から歓喜のコメントが寄せられています。
大の里（大の里泰輝）は、石川県河北郡津幡町出身で、現在は二所ノ関部屋に所属している大相撲力士です。
プロフィール
- 名前: 大の里 泰輝
- 本名: 中村 泰輝
- 生年月日: 2000年6月7日（現在23歳）
- 身長: 193cm
- 体重: 175kg
- 最高位: 西小結（2024年5月場所）
- 血液型: B型
大の里は、小学1年から津幡町少年相撲教室で相撲を始め、中学相撲留学を志し、糸魚川市立能生中学校に相撲留学しました。その後、海洋高校を経て日本体育大学に進学し、アマチュア相撲で優れた成績を収めました。2023年に大相撲入りを果たし、新十両昇進を果たしました。彼は、石川県民に勇気と感動を与える存在となっています
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